設立趣意書

(Association for Contemporary Korean Studies in Japan、略称ACKJ)

 地球的規模において国際化の進展する今日、東アジア地域もまた、大きく変貌しつつある。朝鮮半島もその例外ではなく、世界各国との経済・社会・文化レベルでの交流が深まるなか、その政治動向に対する社会的な関心も一層高まっている。学術的にも、同地域の経済・政治・社会・国際関係を専攻する研究者の数は順調に増加しており、そのような研究者の研究成果を、社会的要請に応えて活用する必要が日々提言されている。
 とりわけ南北首脳会談以後の同地域では、21世紀を前にして、政治経済社会体制の根幹に関わる問題が重要な課題として浮かび上がってきた。これらの課題への対応としては、単なる実務的な観点では不十分であり、学術的な観点から課題の設定段階に回帰し、当該地域の諸問題を歴史的かつ社会科学的な思考に基づいて解明する必要がある。
 このような目的のために、本学会はともすれば韓国朝鮮研究が社会運動に結びついていた時代を清算し、当該地域の政治的意図や行動から一定の距離を置いた、純粋に客観的な研究環境を醸成しつつ、研究者間の相互交流を推進すると共に、研究上の独自な成果を公表し、国際的にも発信することを目指している。また、開かれた新時代の学会として、外国の学会との交流も振興することを目的としている。

2000年11月